エビ鯛PR術

こんにちは。

PR BANKメンバー、Misatoです。

コラム2本目です、よろしくお願いいたします。

今回は“超低コスト”なのに秀逸なアイデアが話題を呼び、

メディア取材が入ったり、SNSで広がったりしたPR事例、

名付けて「エビ鯛PR」をご紹介します。

目次

・エビ鯛PRとは

・事例① ぬいぐるみでソーシャルディスタンス(りそな銀行/シャボテン公園)

・事例② 路面電車にマスク着用

・事例③ 高級ピアノ&大ホールを独り占め(兵庫県 あすかホール)

・まとめ

===================================

・エビ鯛PRとは

低コストでも、既存のコンテンツの組み合わせや切り口により大きな話題に化けた事例…まさにエビで鯛を釣れた施策のことである。(造語です。)


話題のタレントさんを起用して発表会を開く、尖ったPR動画を制作する…などをした場合、かけたコストの分だけ質も量も担保されたメディア露出や話題化が見込めます。


一方で、すべての企業、自治体がPRにそのようなコストをかけられるわけではないのが現実です…。


また、新型コロナの登場で人の琴線に触れるコンテンツにも変化が表れてきたと思います。

TVでは新作ドラマが放映できず、仕方なく放送した昔のドラマの再放送が逆に目新しい!と話題になったり、

芸能人が、作りこまれたセットの中ではなく、自宅から“素“の姿で配信する生放送に皆が夢中になったり、

作りこまれたクリエイティブでなくても人の心をつかめば視聴される、話題になる、ということが証明された期間でもありました。


PRコンテンツにも同じことが言えると思います。


手元にある材料だけでも「物は言いよう」といった発想で、既存のコンテンツの組み合わせ&切り取り方次第で、価値ある情報へと進化させられる場合もあります。

本日はそういった事例をご紹介しつつ、エビで鯛を釣った事例、

名付けて「エビ鯛PR」の法則を探っていきます。


・事例①  ぬいぐるみでソーシャルディスタンス(りそな銀行/シャボテン公園)


りそな銀行のとある支店や、シャボテン公園で行われたのが、ぬいぐるみを置くことで人同士が隣り合って座ることを防ぐ、ソーシャルディスタンス施策です。


行ったアクションとしては、座席にぬいぐるみを設置しただけなのですが、人々の「隣に座りたくない」という心理を先回りしてとらえていること、そしてかわいい見た目に癒されることから話題になりました。


不安なニュース、暗いニュースが多い中、メディアも世の中も、こうした癒されるニュースを求めていたのでしょう。


シャボテン公園のぬいぐるみに関しては、新型コロナ禍の前からお客様を楽しませる目的でぬいぐるみを設置していたそうです。当たり前に行っている施策を時勢に合わせて再発信することで話題化しました。



・事例② 路面電車にマスク着用/札幌市交通事業振興公社


次に紹介するのは、感染対策文脈とエコ文脈を組み合わせた「マスクを着用した路面電車」です。


上記の画像は札幌市交通事業振興公社のTwitter公式アカウントが発信し、拡散、マスメディアでも取り上げられました。一見、車両に大きなマスクをつけただけに見えますが、このマスクの素材は会社で使わなくなったテーブルクロスやホースなどをリサイクルして作った、という裏話があります。


街中を走り、人々が頻繁に目にする路面電車の特性を生かしてうまく感染対策を呼びかけ

ている点や、マスクに隠された環境への配慮などがフックとなり広まりました。


ぬいぐるみ同様、「電車が人に見えてきた」「癒される」といった声が上がり、暗いニュースが並ぶ中で、“癒しを与えるニュース”としてメディアにも取り上げられたのでしょう。


・事例③ 高級ピアノ&大ホールを独り占め(兵庫県 あすかホール)

最後にご紹介するのは、これまでご紹介したどの事例よりも、低コストで話題を集めた施策です。兵庫県太子町立文化会館の「あすかホール」が、ホールのグランドピアノを有料で支試演できると発信しました。


わかる人には価値がわかる高価なグランドピアノを、料金を支払えばホールを独り占めして演奏できる。なんともニッチな層へのコミュニケーションですが、コストをかけずに話題化させ、利用者がいれば収益にもつながる、まさに「エビ鯛」な事例と言えます。


・まとめ

これら事例から導き出される教訓をまとめてみました。


殺伐とした2020年。「かわいい」、「癒される」はそれだけで立派なニュースとなりえます。


◎既に行っている取り組みも時勢と結び付けて発信することでニュースとなる。


◎「無駄になってしまった●●を必要としている誰かに提供してWin-Win」文脈は、ニュースとなる。


〇一枚絵

昨今はtwitterが起点となって話題化するケースが増えています。その為瞬間的に親指を止めるような分かりやすい/興味をひく視覚要素が重要となっています。

〇ストーリー

見た目のインパクトで興味を持ってもらった後に大切なのがストーリー。「なるほど」といった感情や「これはシェアすべきもの」といった正義感を引出せると話題化につながります。

〇時勢

SNSで話題になるだけでなく、全国ニュースに波及させる為には「なぜ今この話題を取り上げる必要があるのか?」といった点も重要です。社会情勢や歳時記を取り入れることが一つの方法です。



予算がない!でもニュースにしたい!

そんな時はこのエビ鯛PR術を活用すると、なにか糸口が見えてくるかもしれません。

PRBANK

国内外のPRコミュニケーション事例紹介を紹介する、ケーススタディブログです。