ムカつき発想法

はじめまして、PRBANK編集部のAki(@aki_prbank)です。

今回は、何かと分析好き、かつ 何かにつけてムカつきがちで毒素強めな私から、アイディアを考える際の発想法を1つご紹介させて頂きます。


それはずばり…

「ムカつき発想法」。


目次

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・「ムカつき」は「共感のもと」?!

・事例①:“匂わせ女子”MV/日清食品

・事例②:「出勤」に対する問題提起広告/smartHR

・事例③:置く専用おにぎり/日清食品

・まとめ

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「ムカつき」は「共感のもと」?!


<ムカつき発想法とは>

日常の「ムカつく」「イライラ」を負の感情で終わらせず、逆に斜め上からその出来事を見つめ、皮肉って企画に昇華する発想法。


日々、「ムカつくこと」「イライラすること」って腐るほどありますよね。

まあそれで腐って出来上がったのが私のような人間なんですけど、ストレスほど人の身体によくないものってないんですよね。


そこで、何とかこの負の遺産である「ムカつき」「イライラ」を自分にとってプラスに変えられないか…と思いながら、様々なPR施策や企画を分析している中で発見したのが、この「ムカつき発想法」。

「ムカつき」「イライラ」する事象を、ふんぞり返って逆に斜め上から俯瞰して見て、イジリの方向に変えてしまう、というものです。


また、このSNSが浸透したご時世、顔と素性が見えないのいいことに、叩きたい対象に対して便乗袋叩きする人が多いことから、誰かひとりが「ムカつく」「イライラする」事象は、割と多くの人が同じ感情を抱いていることが多い、つまり共感を得やすい事象なのではないか、と思っています。

そのため、「ムカつき発想法」から生み出された企画は、「わかる~!」「よくぞ皮肉ってくれた!!」という賞賛を得て、バズが起こりやすい性質があるように思います。

誰かの「ムカつき」「イライラ」はすなわち、多くの人が共感する「あるある」でもあるのです。


ここで、おそらくそうやって誰かのムカつきやイライラが企画のタネとなり、世に出ていくことで(商品や企業のPRにもなりつつ)企画者のストレスが浄化されていった企画をいくつか収集・分析してみました。



事例①:“匂わせ女子”MV/日清食品

日清食品の「日清旅するエスニック カップ トムヤムクン」「日清旅するエスニック カップ グリーンカレー」という商品のPR動画。

一見あるある系の動画かと思いきや…次々に伏線を回収していき完膚なきまでに製品をPRしています。


「匂わせ女子」に好感を持っている方、いらっしゃいますでしょうか?

おそらく私を含め、「匂わせ女子」が道を歩いているのを見つけたら、限りなくわざとらしさを消した上で足を引っかけ転ばせて、匂わせ写真を撮影したであろうスマホを落とさせ画面をバキバキにしてやりたいと思う人がほとんどですよね!(←言い過ぎ)

なんでこんなに「匂わせ女子」にムカついちゃうんだろう。ということでちょっと分析してみました。


<「匂わせ女子」ムカつき原因分析>

・優越感(”私、幸せです”感)のひけらかし=投稿を見た人の境遇を間接的に見下してる

 ⇒投稿を見た人は、少なからず「匂わせ女子」に見下されている感を感じてしまう

・“私、幸せです”感をあえて前面に出さないことで演出する、作り上げられた奥ゆかしさ

(ああ…分析してるだけでもイライラしてきた…)

→人は誰しも隣の芝が青く見えるもの。SNSで他人の投稿を「うらやましい!」と思ったことがある人は少なくないはず。しかもSNSを主戦場にした「プロモーション動画」というコミュニケーションなので、共感する人はさらに多そうですよね。これ考えた人天才。。



事例②:「出勤」に対する問題提起広告/smartHR

緊急事態宣言が発表された4月上旬の直後に、電車内に掲出されたクラウド人事労務ソフトの広告。モヤモヤした気持ちで出勤した人はきっと、この広告を見た瞬間にハッとしたはず。


<「テレワーク中の出社」ムカつき原因分析>

・時代に逆行している古い慣習の非合理性と時間の無駄感

テレワークという画期的で合理的なシステムが導入されているにも関わらず、「なんでこんなことのために…」というようなちっっっっさいしょうもないこと(=捺印、このご時世に“紙”でなければならない書類提出)のためだけに、わざわざ出社しなければならない矛盾に納得がいかない

→人は自分の気持ちを代弁してもらった時に相手に好意を抱くもの。この広告は、そんな人の心理を応用しているのかもしれません。このモーメントを捉える為に、相当なスピードでプランニングされたはず。その実行力にも脱帽です。



事例③:置く専用おにぎり「置にぎり」/日清食品

日清食品の「豆腐スープ」という商品のキャンペーンで開発された「置にぎり」(置くだけのおにぎり。食べられません)。「それだけしか食べないの?」という周囲の声にストレスを感じている人の為に企画されたとか。


<「食事に対する干渉」へのムカつき原因分析>

・ランチタイムは束の間の仕事(現実)から逃避できる癒しタイム、邪魔や干渉はされたくない

・「ダイエット?(笑)」という下に見てくるような発言はもってのほか

・そもそも人の食事に干渉してくるな!話しかけるな放っておいてくれ

→他人に言うほどでも無いイライラってありますよね。だからこそ、そこに気づいてくれた時、心の距離が一気に縮まります。このキャンペーンではそんなブランドLOVEが生まれたのではないでしょうか。



いかがでしたでしょうか。こういった企画のように、「共感」を生みバズを起こしたい時は、自分の中の「ムカつき」「イライラ」感情に目を向けるのも1つかもしれません。

ちなみに、これに気づいてから、私はスマホのメモ帳に「ムカつき」「イライラ」出来事を書き溜めていますが、そのせいでスマホの容量を大分食っています。(嬉しい悲鳴です!)



■まとめ

イラっ!と来た時に心を鎮め、「この怒り、誰だったら共感してくれるかな?」「いつ、どこで共有できたらスッキリするかな?」…などと考えてみます。

そうすると、急に客観的になれるのでストレスも溜まらず、企画の種にもなり一石二鳥。


例えば、事例③の「置にぎり」は、


When(いつ)  :ランチタイムに

Where(どこで) :オフィスで

Who(だれが) :私(=ビジネスパーソン)が

What(何に)  :少量の食事を食べていると「足りるの?」と話しかけられることに

Why(なぜ) :放っておいてほしいのに干渉されるから

How(どのように):イライラする


⇒ビジネスパーソンは、オフィスで少量のランチを食べているときに干渉されるとイラっとする

=「軽食の食品をビジネスパーソンに売りたい」という相談が来た時、「オフィスのランチモーメントでのイライラ」はアイディアとして使えるかも!


…といった形で生まれたのかもしれません。



そういえば、たまたまですが①も③も日清食品さんの事例ですね。

企画された方とはムカついたことやイライラしたことについて語りながら、延々と飲めそうな気がしてきました。


このように、今後も企画を考える際のヒントになることを発信していけたらと思います。

以後、宜しくお願い致します!



Aki(@aki_prbank

PRBANK

国内外のPRコミュニケーション事例紹介を紹介する、ケーススタディブログです。